LTOとHDD バックアップデバイス特性の違い

LTOに代表されるバックアップテープとHDDを比較する。

テレビのHDD録画が例にあがるように、HDDの大容量化/低価格化が著しい現在では一般的に「テープは低速なデバイスであり利用価値のない時代遅れのデバイス」だというイメージがあるかもしれない。機構上、ランダムアクセスに向かないことは変わらないのだが、低速というのは全くの誤解で、現行LTOの最新世代「LTO4」では、テープ1巻当たり最大1.6TB(1:2圧縮時)の容量で、データ転送速度は最大で1時間に864GBにも達する。並のRAIDシステムでは読み出し側が追いつかないほどのデータ転送速度が実現されているのが現在のテープの実力である。バックアップやリストアのように、まとまった量のデータを一気に転送するような状況では、むしろテープの方がHDDよりも高速だと言っても過言ではない。

また、長期保存を行う面から見ればHDDに対するテープの優位はさらに拡大する。テープ1巻当たりの容量が世代ごとに拡大していることから、バイト単価はHDDよりも安価になり、リムーバブルメディアであるため、輸送や保管が非常に容易となる。保有期間中ずっと電力消費が発生し続けるHDDに比較してテープの保管にはほとんど電力を消費しないため、消費電力削減(ECO)にも大きな利点を持つ。

つまり、アクセス頻度が高くランダムアクセスが必要な場合はHDDが有利だが、長期保存や一括バックアップ・リストアにはテープが優位と考えられる。コスト面や取り扱いの容易さなど、用途によってそれぞれに適したデバイスを適切に選択することが重要となるのである。

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         参考サイト:LTO4

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